2016年7月18日月曜日

僕のカメラスリングの使い方 / My Way of Using a Camera Sling


English explanations come after Japanese.)

先日、サクラ・カメラスリングを購入した話をこのブログで書いた。下の写真はそのときのもの。


このカメラスリングは、スカーフのようにふわっと広がることで、肩への負担が軽減されるデザインになっている。また、カメラをカバンに入れるときは、スカーフ状のスリングの切れ目から、スリングの中にカメラを入れてくるむことができる。実に気のきいたカメラツールなのである。

そうは言っても、僕がカメラを持って歩くときは、右手でグリップを握って持っていることがほとんどで、ストラップを肩に掛けて歩く時間は少ない。ましてやフルサイズの一眼を、首から掛けて歩くこともない。

それなら、どうして買ったのか。

おしゃれだからである。

そう、僕はとびっきりのおしゃれさんなのである。

誰も信じてくれないだろうから本当のことを言うと、スリングの切れ目をうまく使うことで、NiSiの角形NDフィルターを使って撮影するときに、害光が防げると思ったからだ。

角形NDフィルターを複数枚重ねて使う場合、スリットに差し込んだフィルターとフィルターの間から、太陽光が入り込んで写真に写り込むことがある。今まではその害光を防ぐために、別に布を持って撮影に出ていた。

でも、サクラ・カメラスリングがあれば……


こうやって、スリングを広げてフィルターに被せてしまえば、撮影準備完了。撮影手順が簡単になった。フィルターとフィルターの間にスリングを挟んでもいいし、下の写真のようにフィルターの上にすっぽり被せてもいい。


そして、もう一つ現場で気がついたことがあった。それはこれ。


後ろ側からすっぽりとカメラ越しにフィルターを覆うから、スリングがファインダーも隠してくれる。

NDフィルターで撮影する場合、昼間でも数十秒から数分の露光時間になるため、ミラーのあるカメラの場合は、ミラーアップの状態になり、ファインダーから入った光も写真に悪さをする。

そのため、カメラのファインダーにはブラインド(シャッター?)が付いていて、ファインダーを閉じることができるようになっている。

でも、うっかり、それを閉じるのを忘れると、漏れた光が写真に写り込み、昔のフィルムカメラの失敗写真のようなものができあがる(何度その失敗をしたことか!)。

風のある日はこれまで同様、テープで押さえるなどの工夫が必要になりそうだ。そうは言っても、このスリングのおかげで撮影が楽になりそうだ。そして何より、カメラを持つのがさらに楽しくなった。

最後に、おまけ。この日に撮った実験写真はこれ。次はギラギラの晴れ空の下で実験してみたい。

f/11 90 sec. ISO 32 (Expanded)
I bought a camera sling the other day, and I wrote about it on this blog entry. When you hang your camera on your shoulder, the sling drapes like a scarf and reduces the weight of the camera. You can also wrap your camera with the sling when you put it in your bag. It is a very useful and fashionable camera tool.

The reason I bought this sling is not that I have a pain in my neck or shoulder. The reason is that I want to use it when I take photos using square ND filters from NiSi Filters.

See the photos above. You can cover the filters with the sling to prevent sunlight from coming in between the filters. When you use more than one filters, the light can cause unwanted flares on the photos. To prevent the light, I always had to carry cloth to cover the filters, but not anymore. With the sling, I can easily do it within seconds.

Also, I realized the fact that the sling covers the view finder. Sometimes I forgot to close the finder cover so that the light doesn't come in through the view finder glass, but I don't have to worry about it anymore, either.

Two good things come with the sling. Oh, no. Three things. What's the third one? I'm a more fashionable person now :)

By the way, the last photo was taken with the new tool. The weather was not good, but I was very happy with the outcome thanks to the sling.

2016年7月16日土曜日

魚眼で歩く夜の南青山 / Taking a Walk with a fish-eye lens in Minami-Aoyama, Tokyo


夜の東京を三脚を使って撮った。久々だ。

最後に撮ったのは2月の岩淵水門あたりだから、もうかなりになる。実はこの夜もやる気はあまりなく、なんとなく魚眼レンズをセットしたカメラを持って出てしまった。

どうしようか考えていたら、三脚の出前が届いた。

出前が届いたというのは語弊がある。友人が、夜景を撮るつもりで持ってきていた三脚を貸してくれたのだ(毎回お願いしたいくらいだ。お願いします)。

そんなわけで久しぶりの街夜景撮り・ウィズ・ザ・三脚。

ほとんどの店が閉まった南青山を三脚担いで闊歩(かっぽ)するのは、人から見たら違和感モリモリで楽しい(そんな風に思ってから、もう1カ月が過ぎた。これは6月初旬の出来事)。

I haven't taken a night photos with a tripod for a while. The last time was in February.

That night, I went out with some of my friends for dinner, planning to take a walk after that. So somehow I was with a fish-eye lens. Only the fish-eye lens.

I was thinking what I should capture for a while, and then, a tripod was delivered. "Delivered" was wrong because a frind of mine kindly let me use her tripod during the walk. Can she bring a tripod for me every time we hang out? Please.

Anyway, I enjoyed taking photos in Minami Aoyama area, one of the most fashionable places in Tokyo.

Of course, most of the shops were closed because we took a walk after dinner, but it was fun to walk along the street with a tripod!

Photo Data
Camera: Nikon D810
Lens: AI AF Fisheye-Nikkor 16mm f/2.8D

まあ、魚眼だから歪むわな。ファインダーをのぞきながら歩いてはいけない。
Everything was distorted through the fish-eye lens. Don't walk looking into the view finder. It is dangerous.
マンションのドアの穴から外を見たらこんな感じだね。
The view through the hole on a front door should look like this.
ブタ! と思っても、魚眼だけに距離感倍増。
I saw pigs on the wall but they were far away through the lens.
三脚があると、暗い店内も安心……。
With a tripod, you can capture the dark shop with no trouble.
ちょっとカメラの色温度を変えて遊ぶ。
I played with the color temperature setting in the camera.
見上げたらいいんじゃない? 友人のアドバイスに従って上を見た。
My friend advised me that I look up, so I did.
もとからゆがんで見えるプラダのビルは、魚眼で撮ると普通に見える?
The Prada building in Aoyama looks distorted, so does it look natural through the fish-eye?  
三脚立てて店内方向を撮っていたら、ガードマンが出てきた。彼女が振り向くのを待っていただけなのにw
A security guard came out when I was pointing my camera toward the shop. I was just waiting for the woman looking back.
これ、色味がお気に入り。いい感じに撮れた。Miu Miuで買い物したことはない。
I liked the colors of the lighting in this shop. I have never shopped at Miu Miu.
クールな建築は、魚眼で引くとさみしげに見えなくもない。これはコム・デ・ギャルソン。
COMME des GARÇONS's cool shop looked lonely through the lens.
帰り道。
On the way home.
自撮りをしようとしたら、場所を取られたAoの前。紀ノ国屋が入ってる。
I tried to take a selfie at this spot, but those two ladies took my position ...

実はこの夜、仲間たちとパンケーキを食べた。下がその写真。これを全部一人で食べるわけはないけれど、ほかの料理も味わったので、そのあとガッツリ散歩したというわけ。

食べたら歩け。これ鉄則。そうそう、店の名前は「クリントン・ストリート・ベイキング・カンパニー」。パンケーキは日本のホットケーキにやや近く、僕の好みであった。

The main reason we visited Aoyama was pancakes. We visited Clinton St. Baking Company. They serve delicious pancakes! We ate a lot so we had to walk a lot after that :)



2016年7月11日月曜日

A Thing from the Past


I took this water pipe bridge photo a year and a half ago as a homage to one of my favorite photographers who captured the Brooklyn Bridge in New York in a similar way. I selected the one taken 15 minutes later for my second solo exhibition last year. At the exhibition I heard that this place would be gone very soon because of the reconstruction of the expressway passing under it. Now that construction has started, this place becomes a thing from the past.

1年半前、この水管橋を、僕の大好きな写真家へのオマージュとして撮影した。彼の作品に、似たような構図でニューヨークのブルックリンブリッジを捉えた写真があるのだ。昨年の個展では、この15分後に撮った写真を展示した。

個展に来場した方から、この橋はこの下を通る首都高速の架け替え工事が始まったら、一旦撤去される。そう教えられた。

そして先日、この場所の工事が始まったことが新聞記事になっていた。この水管橋が写っていた。
次に橋が戻ってくるときに、どのような姿になっているかは知らない。でも、あの場所が記憶のなかにしかない場所になったとわかったら、何度も通ったあの冬が少し懐かしくなった。

Large Image >> https://flic.kr/p/JAE9Fb (Flickr)

A Thing from the Past

Photo Data
Place: 東京・品川 / Shinagawa, Tokyo
Camera: Nikon D810
Lens: SIGMA 24-105 f/4 DG OS HSM

2016年7月10日日曜日

カメラをドレスアップしてみた / I Dressed Up My Camera



I bought a camera strap called Sakura Camera Sling. It looks like a scarf. And you can wrap your camera with the sling. It's a perfect way to carry your camera in your ordinary bag. Actually, I didn't bought this camera sling with that reason. I wanted to use it in a way that even a creator of this sling hasn't thought of. I'm looking for ward to using it in the field soon! And I'll show you how I use it when I use it!


カメラストラップを新調した。

買ったのは、サクラ・カメラスリング。これまで何人かの友人が使っているのを見たことがあった。ふわふわとスカーフのようで、カメラを首に掛けると、おしゃれ度アップ。ガチガチのカメラが、いつもと違う雰囲気を醸し出す。

でも個人的には、柄の入ったものを身につけるのは好みではない。これまでは、このカメララスリングの存在は知っていたけれど、僕には縁のない物と思っていた。

ところが先日、僕に便利な使い方を思いついた。

僕が参加した写真展でご一緒した方が、このカメラスリングを使っていて、触らせてもらったときに、ふと、ひらめいたのだ。

その日に早速問い合わせた。僕が求めている色があるかどうかを知りたかった。そうしたら、この商品を立ち上げた方が、即、ていねいに教えてくれた。

迷わず注文した。

実はまだ、その、ひらめいた使い方は試せていない。でも、カメラに取り付けた雰囲気はいい。

ちなみに、D810に取り付ける場合、カメラにもとから付いている、ストラップを通す三角形のリングは外した方がいい。スリングのリングを直接カメラに付けた方が、安定感が出る。

このカメラスリングは、途中に切れ目が入っていて、スリングの中にカメラをくるっとしまうことができる。D810と24-70mmの組み合わせでも、コツを覚えたらくるっとしまえた。

外で撮ってくるのを忘れたから、今、部屋で撮った。
くるんだ状態のまま、カバンにしまえる。

いいね。

ちなみに僕が買ったのはこれ。モノトーンのMサイズ。柄は黒×グレーのカモフラージュ。ついでに首から掛けた様子もご紹介。




昨年9月からこっそり筋トレやってきて、その効果が少し出たか(笑)。いや、ポイントはそこではない。実際にどうやって僕が使うかは、撮影にガツッと出かけたときに紹介したいと思う。

2016年7月9日土曜日

【写真展】 The rain of blessing / Rinko Kawauchi (Gallery 916)


「余白」のある写真はいい。

ここでいう「余白」とは、白いスペースが多分にある写真という意味ではなく、見るものを考えさせる写真、という意味だ。なぜそこでシャッターを切ったのだろう、何を美しいと思ったのだろう。何を伝えようとしたのだろう。写真を見ながら、写真家と見るものが会話する余地がある。

この土曜日は、港区海岸にあるギャラリー916で、好きな写真家の一人、川内倫子さんの写真展を見てきた。白壁の広い倉庫のワンフロアに、デビューの頃から最新の作品が並んでいた。

熊本を撮った最新作品群も良かったが、水や氷を写した青の光が何より美しかった。

そして、1枚、とても気に入ったのは、鳥の大群の大判(たぶん、会場で最大)。これはは圧巻。何度も見に戻った。撮ったときの話を何かのインタビュー記事で読んだような気がする。

その鳥の写真の最大サイズは、エディション3で、なんとお値段120万円! そんな写真を飾れる家に住みたいなと言ったら、友人に「倉庫か!」と返された。

まあ、倉庫に住むのもあり、だよな。


I like photos that have "blank space."

What I mean by blank space is not that physical white blank space, but something that let viewers think. Why did that photographer point his/her camera at a certain subject? Why did he/she think it beautiful? While looking at the photo, viewers and the photographer can enjoy a conversation through the photos.

This Saturday, I went to Gallery 916 in Kaigan, Minato-ku, Tokyo, and enjoyed the latest photo exhibition of one of my favorite photographer, Rinko Kawauchi. Her photos were hanging on the white walls of the vast space. The gallery was on the 6th floor of a warehouse in the bay area.

The show exhibits Kawauchi's early works to the latest. The views of Kumamoto prefecture that Kawauchi captured were so atmospheric. The blue light of water and ice was beyond description.

What I really liked most was the huge photo of a flock of birds (it was about 1.5 meters wide or much wider). I returned to the photo countless times before I finally left the gallery. It was so overwhelming.

And the price of that photo? 1.2 million yen! I wish I could live in a house that can accommodate such a huge photo. My friend advised me that I live in a warehouse ...

Yes, that may be a good idea.


2016年7月3日日曜日

「作品」が撮れる前 / Right Before I Took the Final Cut


友人が2年前のイベントで撮った写真を投稿していた。そのイベントがどこで行われたかを調べていたら品川とわかった。

そのときのイベントで撮った1枚は、SIGMA 50mm f/1.4 DG HSMのスペシャルサイト用に選んだ。そして、その後、前々回(昨年)の個展にも展示した。

スペシャルサイト(懐かしい):
http://www.sigma-photo.co.jp/sgv/a_50_14/index.html

上の写真はそれを撮る前に別のレンズで撮ったもの。この写真を撮ったときに、中央のいい場所に女性が立っていることに気づいた。そして、「動くなよ、動くなよ」と念じながら、いや、恐らく実際に声に出しながら、急いでレンズを交換して撮った。

かなり急いだ。レンズが飛んでいかなくてよかった。そういうことを、よくやるのだ。この写真を撮ったすぐあとに、宮城県石巻市で、ニコンのレンズが1本飛んでいった。

でも、彼女の待ち人はなかなか現れることがなかったようで、その後も、しばらくそこにじっと立っていた。

ちなみに、「作品」とした写真は、今、現像をするとこんな感じになる。あまり変わらないか。

https://flic.kr/p/JjwfbS



A Woman Waiting

A friend of mine posted a photo on an SNS. The photo was taken during the event we had a couple of years ago, and I found out the event was held in Shinagawa, Tokyo by checking the date of the folders on my PC.

I selected one of the photos I took that day for the special site of the SIGMA 50mm f/1.4 Art lens. Then, that photo made it to my second solo exhibition last year.


The photo at the top of this entry was taken before I took the final cut. I was using a wide-angle lens and noticed the woman was standing in the middle of the frame. I muttered to myself, "Don't move. Please don't move." I exchanged the lenses to the 50 mm and succeeded in capturing the moment.

FYI, the second photo in this entry is the 2016 version of the photo. The finish is slightly different from the previous ones.