首都高速の湾岸線と中央環状線とが交わる葛西ジャンクションでは、この葛西水再生センターを入れた景色が、いちばん狙いたかったところだった。
でも、この明るい工場の光は、暗い風景のなかで相当な悪さをする。レンズ内で乱反射を起こして、フレーム内にフレアの嵐を引き起こす。さらには周辺の暗い空も、長時間露光でまだらに汚れてくる。
2枚のの夜の写真を撮影したのだが、暗いジャンクション部分と明るい工場部分とが、うまくバランスの取れた露出が決まらない。おまけに広角レンズを使っているから、三脚を立てたすぐ近くにある街灯の光もハレーションの原因となる。
結局、この日はほかの風景を求めることにし、翌日の日没直後、空がまだ明るい時間に、同じ風景を撮影してみることにした。それが1枚目の写真。日没直後の空は刻々と色が変化するから、シャッターを切るごとに違う色になる。
何段階かの「青」を撮影したあと、一番バランスのよいものを選んでみた。
葛西ジャンクションは荒川と海の接する場所に位置する。街と街の間にある川は、北風の抜け道となるため、風は一際強くなる。さらにこのジャンクションの問題は、三脚を立てるベストスポットが、荒川を渡る京葉道路の橋の上にあること。幹線道路だから、荷物をたくさん積んだトラックが通ると、大きく揺れる。そんななかで学んだこと。
露出時間は20秒程度まで。車の流れが運よく切れると、このくらいの時間、揺れのない時間が得られる。重そうな車が橋の向こうに見えたら、シャッターは切らない。そして、防寒はしっかりと。