23歳のとき、新規採用の英語教師として赴任したのは東京都立国際高等学校という、外国人1割、帰国子女3割という異色の学校だった。
その学校に入ってすぐ、英語の運用能力が僕より遥かに高い生徒がたくさんいることに気づき、圧倒された。僕がある単語を発音したときに「ふっ」と下を向いて笑った女子がいた。自分の英語力が劣るとは思っていなかっただけに、ショックだった。
僕は笑われてはならぬと決意し、生徒が帰ったLL教室で自分の発音を録音しては聞く、発音を修正してまた録音しては聞く。そのほかさまざまなトレーニングを密かに続けた。英文の音読をやるようになって、気がついたら電車の中で声を出して英文を読んでいたこともあった。
茂木さんの言う「着いていきなり人生ゲーム」とは少しずれるかもしれないが、僕はサバイバルのために努力した。今の僕があるのはあの時の経験があったから。辛かったけれど、感謝。
茂木健一郎さんの連載
「言葉とコミュニケーション」
第2回:本物の「英語の学び」とは?
http://gotcha.alc.co.jp/entry/20171027-mogi-communication02
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