僕が右脚がなくなるかもしれないという激しい骨折し、広尾の病院に2カ月入院していたとき、きたじまさんは「日本赤十字センター たぶん整形外科」という宛先で花を送ってくれた。そのときの送り状は今も宝物だ。
そんな宛先で花を送ってくるなんて、後にも先にも彼だけだろう。そう思って、僕は病院のベッドで痛く感動した。いや、右脚は、夜も眠れないくらい本当に痛かった。
グーグル・プラスができて1年くらい経ったとき、「それってどうなの」と聞いてきたきたじまさんに、僕は「早くやりなよ、面白いから」と熱心に彼を、新しいSNSに誘い込んだ。実はそのとき、僕は1周年イベントの幹事を任されて、70人以上が入れる打ち上げ会場を探していた。彼なら、きっといい飲み屋を探すに違いないと思い、僕は彼を熱心に勧誘したのだが、彼はそんな裏の理由を知る由もない。
でも、彼はすぐに70人近くが入れる会場を探してきた。僕は彼の手際の良さに痛く感動した。ちなみにこのころ、僕の脚にはチタンの棒が埋め込まれていて、骨折する前よりも丈夫な脚の持ち主になっていた。脚はもう痛くなかった。
ここで紹介している写真を撮ったのは約2年前。彼がどうやってあの素敵なボケの写真を撮るのか、スナイパーズ・ナイトという内輪のイベントに潜入して激写してきたもの。当時、この写真を紹介したときに、多くの人が「ああ、きたじまさんってこうやってあの美しい『ボケ』の写真を撮るんだ」と痛く感動していたっけ。
彼はこれまでに多くのカメラ雑誌で紹介されてきているが、あのボケの本当の撮り方を彼が正直に語っている記事は、僕の知る限りまだひとつもない。
さて、そんな彼の東京での初の個展が8月5日金曜日から開催される。タイトルは「きたじまたかし写真展 / 空宙観察と光の肖像 portrait of light at the observation of sky」。きっと、光にあふれる素敵な写真展になることだろう。大いに楽しみにしている。
【訂正】 彼が撮るボケの正体はシャボン玉ではないことが、先日判明しました。
きたじまたかし写真展 / 空宙観察と光の肖像 portrait of light at the observation of sky 2016年8月5日(金)~14日(日) 11:00-19:00 入場無料 会期中無休 会場 Island Gallery 東京都中央区京橋1-5-5 B1 |
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